運動会など行事があれば晴れてと願う。
その日がそれだ。
試合を待ちわびていたかのように晴れていた気がした。
バスを待っていると、時間になったのでバスに乗り込んだ。
ギュウギュウで一人分やっと入りきれるかどうかであったが、なんとか学校前の停留所に着いた。
私は進学校である公立桜野学園高校の教室に向かった。
同じ高校に通っている生徒達が、玄関門をくぐって、あちこちで友だちと楽しく会話をしていた。
朝なのに、よくテンション上げられるよ。
憂鬱になりながら私は誰かに肩をバンと叩かれた。
誰だ?と後ろを振り向いたら、よぉと声をかけてきたのはハルキだった。
「なに」
ハルキは、私の幼馴染で腐れ縁だ。
同じ幼稚園、小学校、中学校、高校と一緒になりたくないのになぜかそう思っているとなってしまう。
恐ろしい。
「そんな怖い顔すんなよ。可愛い顔が台無しだぜ」
私としたことが、怖い顔するなんて。いつもハルキでも笑顔に対応するのに。
「……そんな怖い顔してた?」
本当はよくそんなこと言えるよと口に出したいが、言えない。
「してた、してた。なんか、この世が終わってるーって感じ」
この世が終わってる?
どういう顔だよ。
死んでるってか、それかもうこの世に生きていくのも疲れているとか?
まさか、そんなこと私思ってない
よ?
「……へぇー、そんな顔か。あ、それより、ハルキ友達呼んでるよ」
私は声のトーンをあげて、ハルキの顔を見ずに、ハルキを呼んでいる友達の方を右手の人差し指で差した。
おーい、ハルキと遠くから友達が呼んでいた。
「あ、ほんとだ。じゃあ俺行くわ。じゃあな」
ハルキはそう言って、駆け足で友達の元へ去っていた。
そんなのどうせ他人なんだから。
はあとため息をついて私は机にカバンを置いて、カバンに顔を覆いかぶさった。
もうなんか疲れた。

