テ―ブルに何か置いていると思い行ってみると、おにぎりを作るにあたり、海苔と梅干しがあった。 「ほんとに作るんだ。おにぎり」 やっとおにぎりを作るという現実が頭の中ではっきりとしてきた。 いやこのバイトに応募してから、おにぎり作るんだっていう軽い気持ちだった。 でも、ここに来てから現実だと受け止めた。 「…作るか」 私は一通り部屋を眺めてから独り言を呟いた。そして、まずキッチンに向かい、石鹸を両手でこすりつけて手を洗った。