「一つ聞いてもいい?」



「別にいいが、どうしたんだ?」



長い沈黙。


鈴がこんな悲しい顔をするのも珍しいし、何でもかんでも唐突に聞いてくるのに・・・。



「優奈のこと、どう思ってる?」



「あいつはただの依頼人だ」



「本当にそう思ってる?」



「あぁ」



正直俺もあいつをどう思っているのか分からない。



「表情筋固過ぎて他の人は分かりにくいけど、優奈が囮になるって言ったとき、一番嫌そうな顔してたよ」



「俺は肯定したのにか?」



「あー!この鈍感!」



「近所迷惑だぞ」



耳元で叫ばれて俺も耳が痛い。



「だって、依頼人をバイトに誘うし驚いたんだよ!?」