「まさか・・・こっちの方を選ぶなんてなぁ・・・」



「お父さん、頭いかれてる!」



「言い過ぎだ、鈴」



「だって・・・」



流石に鈴も怒るか・・・。


今、鈴を家まで送っているとこだ。


昔から家が近くて、幼馴染のようなもんだ。


鈴は友達思いのやつだから、怒るのは仕方がないんだろう。


まさか、囮の方を選ぶとは思ってもいなかった。


鈴のお父さんと鷹来は知り合いだったから彼女の説明はしないで済んだのはいいが、正直囮の方を選んで欲しくなかった。


本当は依頼人の家の前には防犯カメラがあり殺人予告の当日に刃物が見えた瞬間、捕まえる方法も思いつき、提案した。


もちろん、鷹来が囮になる話と一緒に。


あの平和主義の鈴のお父さんがリスクのある方を選ぶとは思ってもいなかった。



「永志、ごめんね」



「何で鈴が謝るんだ?」



唐突にどうしたんだ?


鈴は関係のない鈴のお父さんが決めたことだ。