「 10月1日 」


唐突にそう言えばびくーーっと表情を強ばらせた花乃。

わっかりやすいね、ほんと。


「 楽しみだね 」

「 うん、楽しみ…だ、ね 」



言おうか、言うまいか。

迷ってるって顔するくらいなら言っちゃえばいいのに。



「 じゃ、また明日 」

「 送ってくれて、ありがとう 」

「 おー。 」



10月1日

その日何があるのか、無理矢理にでも聞き出すべきだと死ぬほど悔いたのは当日になってからだった。