「上月。」
「なんでこんな睨まれてんの俺。」
ある日の昼休み。
先生と進路面談のため職員室へと向かった花乃を送り出して花乃の友達、高野に話しかけられたのだが ───
どうやら俺は嫌われてるみたいだ。
「上月、来週末、花乃に誘われてない?」
「は?」
なんでこいつはさっき花乃と話したことを知っているのだろうか。
「誘われたよ」
「で?なんて答えたの?」
「俺が花乃からの誘い断る理由、あると思う?」
「…っ」
俺がそう答えると高野は心外そうに驚いたような顔をした。
失礼な。
絶対俺と花乃の偽の関係が終わった時のことまだ引きずってるな。