しばらく笑い転げていた上月くんだけど、ふと真面目な表情になった。





やっぱり真っ直ぐな目で何度目かわからない言葉を口にした。





「好きです、付き合ってください。」





「……は、い…っ！」






表向きは人畜無害な村人Ｂ。




けれど本当は、暴君上月くん。





「あれ？そう言えばなんで泣いてたんだっけ？」




「ねぇ花乃。君はいったいどこまで俺に嫌な思いさせたら気が済むの？」



「ひぃっ」




「 ……… 好きだったからだよ 」





上月くんの睨みに耐えきれず悲鳴をあげた私には、最後の言葉が聞こえたはずもなく。




「い、いつか教えてね！」




「却下。ほら、帰るよ。」





ふたつになった足音に頬が緩んでどうしよもないんだよ、上月くん。





Ｆｉｎ ．