「どういうこと?え、上月くんが誰のこと好きって?え?なんで?待って、え?」
「落ち着いて花乃、なんかさっきまでテンパってた俺が馬鹿みたいに思えるからとりあえず落ち着いて。」
「いやいやいやいや!落ち着けって言ったって無理だよ、だって、私たちさっき別れた、よね…?」
「そうだっけ?俺は了承してないと思うけど?」
ケロッと言い放ったそれに私は数時間前の会話を思い出す。
何度思い返しても思い浮かぶのは一方的な別れだけ。
「いやいやいやいや、ちょっと待って、あれ?なんで?え?」
完全にお別れは成立したものだと思っていたから驚きが隠せない。
驚きというより、動揺が隠せない。
「ま、そういうこったな」
「どういうことだよもう…」
あまりに必死な私が面白かったのか上月くんはツボに入ってしまい、どうやら抜けられないらしい。
「くっ、ははっ」
「笑い事じゃないってもー!」