だけど新くんは未だに門の前から動こうとしない。



「あの … もう、いいよ、?」



「うん」




うん、と言いつつも動く気ないのは何故でしょうか




もしかして、家に入るまで見届けるんじゃ、、!



と思い、それを確かめるために「さよなら!」と叫び家飛び込んだ。




2階にある自室に飛び込んで、電気をつけて、カーテンを閉めるふりをして窓から外を覗く。





そこには ───




「やっ、ぱり、」



少しだるそうにネクタイを緩めながらさっきふたりで歩いてきた道を戻って行く新くん。



家、逆方向なんだ。



それなのに、送ってくれたの?



なんて言ったらそれこそ吹っ飛ぶのは椅子じゃなくて今度は机かもしれないけど。



「調子乗んな」って冷ややかな目で見られるかもしれないけど。




─── トクン、




ほんの少しだけ高鳴った、心臓の音。




「なんなのもう……」




その日は眠れなかった。