……… と。
「かーのっ、おはよう、寝癖ついてるよ走ってきたの?」
コテン、と首を傾げて寝癖の付いてる場所を教えてくれる ……… 上月くん。
ああもうなんなんだ、と頭を抱えたくなった。
「あ、ありがと、う」
さりげなく昨日の約束守ってやがるし、なんなんだ本当に。
何者なんだ、昨日のあれはなんなんだったんだ、と頭の上に抱えきれないほどのハテナをたくさん並べて
「なんなんだ……」
言葉にしてみても、疑問がなくなることはなく。
「おらー、席につけー」という先生のお決まりの掛け声で思考を遮断せざるを得なかった。
ぼんやり先生の話を聞き流しながら思い出すのは昨日の帰り道のこと。
「はぁ、」
思い出せば思い出すほど頭が痛くなる。
ため息しか出ない、ってこの状況だよね。