次に目を開けた時、腕の中に美波の姿はなかった。 「……好きだよ。」 とうとう彼女に伝えられなかった言葉。 涙はとまらないし、手の中に感じる無機質な貝殻の存在を感じる度に胸が苦しくなる。 でも、約束したから。 そっと手を開いて天色の貝殻の存在を改めて確認し、俺はまぶしい空を見上げた。