「白石蒼海だよ。『蒼い海』って書いて『うみ』って読むんだ。まぁ、友達はみんなあおって呼んでるんだけどね。」


ちなみに、最初に呼び始めたのは当たり前というべきか、幼い頃から一緒の陽人だ。


小さい頃から陽人に蒼海と呼ばれたことは残念ながらほぼない。


「うみ…」


彼女は何かを確かめるように呟いたあと、俺の手元に視線を落とした。


ふと気づくと、彼女は浜辺に上がってきていた。


俺の手元を見に上がってきたらしい。


…とりあえずよかった。