〜♪


「いらっしゃいませ〜」

来店の音が鳴ると同時に
数人の男の声が店内に響き渡る



「俺はアイスだな」
「はっはっーお前これでも食ってろよ」
「んじゃ、お前の奢りな〜」


なんてふざけた会話が聞こえてくる
しかも声が大きい。


私はちょうど見えない位置にいたので
何人いるのかはわからない


けどきっと高校生だろうなとは思った


こうゆう客はめんどくさそうだし
極力身を潜めて、いつも店長に任せる私


だけど、今回はそんなふうにはいかなかった




「中村さん、俺ちょっと外いくからレジ頼んだよ!」


そう言うと私が返事をするまもなく
店長は立ち去った。



え…


しぶしぶとレジに入る私


さっきお店に入ってきたのは
3人組の男だったことがわかった


あの制服、隣の高校かな
顔はよく見えない

まだ3人は商品をネタにしたりして
盛り上がっていて

さすが男子高校生ってかんじ。



すると3人の中の1人がレジに来た

「ありがとなー!蓮!」

「外で待ってるわ〜!」


そう言って残りの2人は外に

どうやらこの、蓮ってひとは
2人に奢ることになったらしい。


高い身長、少し着崩した制服、
意外と暗めな髪色に、香水の匂い…



ピッ ピッ



バーコードを通しながら
やけに緊張する私


だって普段男の人が
こんなにも近くに来ることなんてないし


3人でいた時は
チャラチャラしてるふうに
みえるけど、

こうやって1人になった時を見ると
とても大人っぽい



私はつい、じーっと見てしまい
目が合った。


それを誤魔化すように
値段を言う


「さ、さ3点で380円になります」


「はい、丁度。」


その瞬間手が触れた。


ドキッ




「レシート大丈夫だから」


そう言って彼は
友達の元へ戻って行った