「わたしも自己紹介の時陽輝くんをみつけて運命だって思ったんだ。でも、そのあと話しかけたら琴音なんて知り合いいないんだけどっていわれたときは悲しかった。」

「あのときは、ごめん。」

「ううん、いいの。そのときのことはもう。陽輝くんだって苦しかったのわかってるから。でもね、どうしても冷たい態度をとられても、陽輝くんのこと気になって仕方なかったの。勝手に小学校までいったりしてごめんね。それから、陽輝くんのお母さんのお墓にもいってきたの」

「え?」

「陽輝くんのお母さんにね、陽輝くんがまたあの頃みたいに笑ってくれるようにがんばりますって伝えてきたの」

「・・琴音ちゃん」

「陽輝くん、わたし陽輝くんのことがいまでも好きです。」

「琴音ちゃん、俺も琴音ちゃんのことが好きです。」

「陽輝くん、幸せになろう。お母さんの分まで。一緒に生きよう。」

「俺、いままでみたいに笑っていいのかな、人と関わっていいのかな。」

「陽輝くんは十分苦しんだよ。もう泣いていいんだよ陽輝くん」

「ありがとう」

そういって陽輝くんは小さい子供のように声をあげて泣いた。