「でも、もう俺なんかを必要としてくれる人なんて誰もいないと思う。」

「わ、わたしが、いる。わたしが、陽輝くんのそばにいる」

「琴音ちゃん・・・」

「わたし、陽輝くんのこと幼稚園生のころから、すきだから」

「え?」

「あのとき、わたしがはぶられてたとき、わたしを助けてくれたでしょ?あのときから、陽輝くんはわたしのヒーローなの。
陽輝くんは正義感強かったからわたしのこと見放さなかっただけかもしれないけど、それでもわたしは嬉しかったから。」

「ちがうよ。」

「え?」

「正義感なんて強くないよ。俺も琴音ちゃんのこと気になってたんだ。でも琴音ちゃんいつもさみしそうで守ってあげたくて。
それであんなこと言ってた。でもそれから琴音ちゃんがたくさん笑ってくれるようになって・・俺も琴音ちゃんのこと好きだった。」

「うそ・・・」

「本当だよ。だからこの高校にきてクラス表をみて琴音ちゃんの名前をみつけたときは運命なんじゃないかって思った。でも、俺は・・」

そういってつらそうな顔をした。