そして小3の夏、とうとう両親が離婚した。

「陽輝ごめんね。こんな弱いお母さんでごめんね。転校しなくちゃならなくなって本当にごめんね」

当たり前のようにお母さんについていった僕にお母さんは毎日謝ってきたけれど、そんなこと気にしていなった。

お母さんに暴力をふるうお父さんのことが許せなかったから、むしろほっとしていたくらいだった。

でもひとつだけ心残りがあった。
琴音ちゃんのことだ。


幼稚園生のときから琴音ちゃんのことが気になっていた。

でも琴音ちゃんはいつもひとりぼっちで寂しそうだった。

笑ってる顔なんてみたことなくて、泣きそうな顔でひとり遊んでる姿をみて僕が助けてあげなくちゃと思った。