自分でいうのもなんだけど優しい性格だと思う。
でもそれがいけなかったのかもしれないと思い始めた。それは親の喧嘩をたまたま見てしまったときから。
「あいつはもっと男らしいところが必要だ」
「そんなことないわよ、まだ小学2年生よ?」
「いや、あいつは優しすぎる。もっと強い大人になるためにはあんな優しさはいらない、俺がしつけてやる。」
「やめて、あの子にはあの子の人生があるんだから」
「うるせーよ」
僕のお父さんはやんちゃだった時期があったらしく、僕が優しいのをあんまりよく思っていないみたいだった。
そんなんじゃ強い大人になれないとお父さんなりの考えがあったらしい。
その日を境にお父さんは僕に強く当たるようになった。
でも僕はいい子にしないとと思ってなにをされてもいつも笑顔でお父さんと接していた。
だからだろうか。
いつの間にか矛先がお母さんにかわっていた。
お前が悪い。お前の育て方が悪い。そういってお母さんを責めては時々暴力をふるうようになっていた。