・・・それからしばらくわたしはなんて切り出そうか迷っていたら

「で、なに?」

と陽輝くんから声をかけてきた。

その顔ははやく終わらせろとでもいうかのようにみえた。


「陽輝くんの過去のことをきいたの」

陽輝くんはそういったわたしの顔をみると少し驚いたような顔をした。

「・・・」

「勝手にごめんね。実はおととい陽輝くんが通ってた小学校にいったんだ。転校しちゃってからのほうに。そこでね、橘先生っていう先生から話をきいたの。」

陽輝くんはそれでも何も言おうとしなかったけれど、わたしの話を聞いてくれてるような気がした。

「陽輝くん、親の離婚が原因で転校したんだね。わたし、あのとき何も知らなくて、いつも陽輝くん笑ってたから、陽輝くんがいつの間にか苦しんでることに気づかなかった。」



あのとき、また会おうねって約束したとき陽輝くんはどんな思いでわたしにそういってくれたんだろう。