「大丈夫?」

わたしから聞いたくせに、泣いてしまって申し訳なかった。

「はい、すいません、大丈夫です。話をきけてよかったです。わたしここの卒業生とかじゃないのに、話をしてくれてありがとうございました。」

「本人に言わずに勝手にこんなことほかの人に話してよかったのかなって思うけれど、あなたの真剣な顔をみたらね。それにあなたなら中山くんを救えるかもしれないと思ったの」

「実は初恋なんです。わたしはあの頃の陽輝くんに戻ってほしくて。」

「そうだったのね。中山くんはこんな風に思ってくれる子がいて幸せものね。あなたたちがうまくいくことを願ってるわ。」

「そんな、ありがとうございます。また今度陽輝くんときます、絶対に。」

「まってるわ」

わたしはその先生に改めてお礼をして小学校をでた。

そのあとも少し寄り道をしてから電車に乗って家に帰った。