「ちょっと、中山くん。それはないんじゃない?本当に覚えてないの琴音のこと。幼稚園から小3まで一緒だったんでしょ?」

いつの間にそばにいたのか麻里が陽輝くんにそうやっていってくれたけど、陽輝くんが顔をあげることはなかった。



「琴音?大丈夫?」

麻里が泣いているわたしをみて心配そうに声をかけてくれた。

わたしは小さくうなずくと、この場の空気に耐えられなくて鞄を手に取ると教室を飛び出した。

「琴音!」

麻里が追いかけてきてくれてとりあえずうちにおいでといってくれた。