結った黒髪にいつもつけている白い花のピンをつける
なんでいつもつけてるんだったかは覚えてない
只私の中のナニカが訴えてくる
これは大切なものだと
外に出ると暑苦しいほどの熱気
清々しいほど雲ひとつない空
2月だというのにこの暑さはなんなんだろう
4月に咲くはずの桜も満開を通り過ぎ、葉が芽生えている
最近天気がおかしい
そんな中私は1人丘を歩く
学校まで家から歩いて15分
十分間に合う時間
「眠い……学校でまた寝ようかな?」
「なーに言ってんの!学校は寝るとこじゃないでしょ!私達いま中3よ!?それにいま2月よ!?受験まであと1カ月もないのよ!?」
突如現れて私にお説教を喰らわせるのは私と同じ孤児院出身の南条 心
所謂、幼馴染というやつ
そして何故か私に話しかけてくる
孤児院とはいっても私と心は10歳のときから記憶がない
2人して孤児院近くの森で倒れていたところを孤児院の先生に助けてもらった
いま私は孤児院を離れ、一人暮らしをしている
心は藍色の髪に青の瞳
日本人にしては目立つ容姿
「頭いいからって油断は禁物!だから学校で寝るんじゃないの!分かったわね?夜空」
「やだ。」
「やだ、じゃない!!!!ほらもう学校に着いたから教室行くわよ!」
彼女が何故私に絡んでくるかは分からない