そのまま互いに会話がないまま、私はただ手を引かれてどこかにむかって歩いている重崎くんについていった。
少しして到着したのは公園。
6時という時間帯のせいか誰も人がいない。
重崎くんは、私をベンチに座らせたあと、すっとどこかに行ってしまったと思えば、すぐに戻って来てココアの缶ジュースを手渡してきた。
「・・・ありがとうございます。」
「大丈夫?」
「はい・・・ごめんなさい。」
「なんで謝んの?」
「私のせいでクラスの雰囲気壊しちゃったし、重崎くんにも迷惑かけてしまったから。」
「別に葉月さんは、何も悪くないよ?てか、雰囲気壊して、連れ出したの俺だし笑」
「いえ!そうさせた原因は私だし。ほんと、ごめんなさい。」
「ふふっ」
(なに??なんで笑ってるの?)
「やっぱり思ってた通りの人だね。葉月さんって」
「??えっ?」
「自分が1番怖い思いしたのに、他人のこと優先して気遣って」
「・・・違います。私そんないい子じゃないですよ。」
「そうかな?俺にはいい子に見えるよ?」
「騙されてるんですよ。ただ臆病なだけです・・・」
「・・・でもさ、今だって手震えてんのに隠して、唇かみしめて、強がってんじゃん。そんな我慢することじゃないと思うよ?泣いても絶対誰もあなたを責めないし、笑わないよ。」
