それから。(それでも好きだから。番外編)

「葉山…じゃなくて、華恋。綺麗になったね」

「私だっていつまでも子どもじゃないですよ」


素直に嬉しいとは言えなかった。
言ってはいけないような気がしたから。


「そうだね……華恋は今、幸せ?」

「はい」

「それはよかった。本当に素敵な人を見つけたね」

「颯くんは優しくてカッコいい人です」

「もちろん知ってるよ。俺の教え子だからね」

「そうですね」


まさか上谷と––––颯くんと結婚するなんて、卒業式の日は思わなかった。

人生は何があるかわからないな。


「卒業式の日に宣言したことが実現したね」

「え…? 覚えてて、くれたんですか?」


『私は先生よりも素敵な人見つけて、先生よりも幸せになるから気にしてないよ!』


意地になって言ったことなのに……


「もちろん。忘れたことはなかったよ」


先生は笑っていたけど、どこか寂しそうだった。


「遠山せんせ…」

「華恋! みんなで写真撮ろうって!」

「あ、うん…」

「遠山先生もですよ!」

「行こうか、華恋」


気安く名前で呼ばないでよ、先生。

今までずっと名字呼びだったのに。
どうして今更、“華恋”なんて呼ぶの?

ずるい。

ずるいよ……