高校の卒業式から5年後


大学を卒業して一年が経った。


「おめでとう! 華恋。すごく綺麗だよ」

「ありがとう! って、もう! りりあが泣いてどうするの?」

「だって! 華恋が…華恋がぁ〜!」

「佐々木。お前、泣きすぎ」

「うるさいわ! ちゃんと華恋を幸せにしなかったら、あたしが許さないから!」


ここは丘の上にあるチャペル。

春の陽気に包まれて桜の花びらが辺りに舞う。
天然のフラワーシャワーが、私たちを祝福してくれるかのように優しく降り注いだ。


親友のりりあが主役である私よりも泣いていた。

本人よりも熱くなっちゃうのは、ずーっと変わらないな。


「ねぇ、颯くん。会いたい人がいるんだ。ちょっと行ってきてもいい?」

「うん」