翌朝。(12月21日)

トントンとリズムよく聞こえる包丁の音で目が覚めた龍。
寝ていたリビングのソファーから、カウンター式になっているキッチンを覗いてみれば、澪が朝ごはんの用意をしていた。


「・・・はよ。」

声を掛けてキッチンに向かう。

「・・・おはよ。」

こちらを見向きもせず、挨拶をした澪。

(・・・怒ってやがる・・・。)

龍は諦めて洗面所へ向かう。
いつもなら、おはよ!と満面の笑みで言ってくれる。

「はぁーー・・・。」

生理前とはいえ、澪を本気で怒らせてしまった。
大好きな澪の笑顔が見れない。どうしたらいいのか分からない。
龍は、溜息をつくしかなかった。