「うん確かに、先生といると居心地良いかも…」

ってオイオイ、君まで口車に乗るなよぉ。

「先生って、どんなワガママ言っても聞いてくれるから、つい甘えちゃうのよね~」

としな垂れて見つめてくる広海君。

「甘えちゃう?」

あれが甘えてたって言うのか?

ただイイように扱ってる以外の何物でもないだろっ。

「そう、嬉しくってついつい。でもちゃんと感謝はしてあげてるんだからね」

って、上から目線だし。

(そうかいそうかい)

ま、感謝って言葉を聞けただけでも、苦労が報われたってもんだよ。

「ねぇねぇヒロ、この際乗り換えたらぁ?」

「教授のお墨付きだしね」

「早くしないとミライさんに盗られちゃうかも~?」

って、ナニ囃し立ててるんだい君たちはっ。

「…」

ホラ、すっかりその気で見てるじゃないか!

「じゃ、後は若い者達に任せるとしよう。私はこれで失礼するよ」

って教授ぅ!

(ちょっと待ってくださいよぉ…)

またややこしくしてくれましたねっ。

(僕を困らせてそんなに楽しいですか?)

と、隣の教授室へ出て扉をバタンと閉める教授。

その途端、院生たちがバタバタと広海君の傍に寄った。