「ところでさ、」

と、所長が椅子ごとこっちに向き直ってきた。

「よくミライがロボットだってわかったね。どうして?」

首を傾げる所長。

「そりゃわかりますよ、寝てる時に息をしてなかったら」

死んだかと思いましたよ。

「そうか~。休止中はどうしようもないもんな~。でもまぁ、…」

所長がしばらく考えて、グイッと前のめりに身を乗り出してきた。

「一緒に寝るのは君だけだから、他にはバレないね」

ニッとニヤけてる。

なんか意味深な言い方ですね。

「別にベッドまで一緒にしなくてもいいんですよね?」

今そうしてますけど。

と、横からミライが僕の腕を取ってきた。

「私と一緒じゃ、イヤ?」

え!?ナ、ナニ言い出すんだよミライ!

「いや、イヤとかそういう事じゃなくて…」

言葉に詰まった。

何を話してるんだよ。

ロボット相手に。

「…ほら、蹴っ飛ばしてベッドから落っことして壊したりしたら、大変だしさ」

って、ナニ言い訳してるんだろ。

「ハハハ」

と横から所長が、椅子の背凭れに寄り掛かりながら笑いかけてきた。

「それとあれだね、こんなにナイスバディなミライが横にいたら、色々考えちゃって眠れなくなるから、だろう?」

ドキッ。

ええそうですよ、それが一番の理由ですよ。

「ミライは人間そっくりだからね。君がそう思うのも無理ないよ」

あぁ所長、そんな目で僕を見ないでください…。