翌土曜日。

休みの日はいつもアラームは鳴らさない。

目が覚めてソファーの上から頭を起こして部屋を見回す。

テーブルの上には昨日買って来た紙袋。

チェストの上の読みにくい時計の針は10時過ぎぐらいを指してる。

(…起きよう)

ソファーから立ち上がる。

寝室の三枚の引き戸はピッタリと閉じられたまま。

昨日は広海君に付き合わされて軽く飲まされて、帰ってくるのが遅かったんだよな。

(大丈夫かな)

引き戸をそーっと開けて覗き込む。

ベッドの上に仰向けに眠ってるミライ。

(…ずいぶん、無表情な寝顔だな)

天井を仰いだまま、じっと仰向けに真っ直ぐ横たわっている。

ピクリとも動かないまま。

胸が上下する気配すらない。

(だ、大丈夫か?)

急に心配になった。

パッと枕元に寄って、肩に手を掛けながら顔を鼻先に近づける。

「…」

一秒、二秒、三秒、四秒、五秒…。

いくら待っても、寄せた僕の頬には何も吹き掛かって来ない!

「い、息をしてないっ!」

腰が抜けるように後ずさった!

引き戸にガタタンッとぶつかって座り込む。

「マズイマズイよ…」

背筋にサーッと悪寒が走る。

生唾をゴクンと飲み込む。

頭が真っ白になる。

落ち着け!

まずは電話しないと!