金曜日の昼休み。

(ん~、シマッタな…)

学食のテーブルで向かい合う広海君。

美味しそうにランチを頬張ってる。

(一度おごってやったからって)

毎日来る気か君は。

「ねえミライさん、明日は何か予定ある?」

箸を止めて尋ねてる。

「うん。お昼には所長の所に戻るつもり。色々と体を調べないといけないから」

「あっ、そう言ってたよね。ゴメンなさい」

忘れてた。

ミライは病気を抱えてるんだ。

「じゃあ今日の午後はまだ空いてる?買い物に付き合って欲しいの」

「うん。仕事終わってからでいい?」

「もちろん。今日はきっと早く終わらせてくれるわよぉ~」

…ハイハイ、そうする事にしますよ。

「先生も、一緒に行きましょう♪」

と、ミライが横から腕を取って見つめてきた。

「え、僕も?!」

「うん。一緒に行きましょう。楽しそう♪」

真っ直ぐに見つめてくるミライ。

瞳には何も下心は感じない。

「そうだね。行こうかな」

ミライの体も心配だし。

「いいかなあ広海君」

僕も付いてって、嫌がらないかな?

「もちろん!」

おっ、意外と好印象じゃないか。

「財布と荷物は先生持ちね、なんて言わないからっ♪」

…ハイハイ、わかりましたよ。