学食の中庭に面した窓側のテーブルに、広海君と向かい合ってミライと並んで座って、ランチを味わった。

(他におごってもらう相手がいなかったから、かな)

食べ終えた広海君が満足した様子で箸を揃えて置いた。

「先生、ごちそうさまあ~」

ニッコリ笑顔で手を合わせてる。

「ハイハイどうも」

感謝して頂けて光栄です。

「ねぇミライさん、ジュースも飲んだりしないの?」

「んー、ミネラルウォーターなら…」

こっちを見るミライ。

向かい側から広海君もこっちを見てる。

「ほら先生、早く買って来てあげたら?」

って、パシリかよっ。

「わかったよ」

しょうがないなマッタク。

席を立って自販機に走る。

ミネラルウォーターを買って戻って来ると、テーブルの上にミライがポーチを置いて話をしていた。

「ん~、薬みたいなものだから」

「じゃあ、何か化粧品入れてる?」

「UVクリーム入れてる」

と中からクリームを取り出すミライ。

「あ、これ高いヤツだよね」

「うん。ちょっと贅沢にね」

「いいな羨ましい~」

「紫外線はお肌の大敵だから」

「あとあと地肌に響くもんね~」

「少し使ってみる?」

問い掛けたミライに、広海君がパッと笑顔になった。

「うんっ!」

と、広海君が少し手に取って腕や首筋に塗り始め、すぐに肌や化粧品の話題で話が盛り上がった。

(良かったよ、早く打ち解けてくれて)

このふたり、仲良くやってくれそうだ。