「ちょっと座らせて」

と椅子を引っ張り出して腰掛ける広海君。

(何しに来たんだ?)

まあ居るのはいいけど、おとなしくしててくれよ。

(…って言ってもムリか)

諦めてミライと机に戻る。

と、広海君がパッとミライに目を向けた。

「ねえミライさん、どこに住んでるの?」

オイ、いきなりドキッとする質問するなよ!

「先生のところ」

ってミライッ!

いくら何でもそんな答え方!

「えーっ!先生と一緒に住んでるのぉ?!」

ほら~。

そりゃツッ込まれるって。

「先生ホントなのっ、ねえっ!」

スゴイ剣幕だし。

「あ、うん。ミライの体が心配だから、そうしてくれって頼まれたからさ」

事実そうなんだよな。

「じゃあホントに一緒に住んでるってコト?ありえない。先生が若い女の子と同棲?」

ま、そういう事になっちゃうか。

「ね、ホントに体が心配だからってだけで一緒に住んでるのぉ?ホントにぃ?ちょっとはミライさんのコト気になってるんじゃないのぉ~?一つ屋根の下に暮らしてるんだし、どうなるかわからないもんねぇ」

って、ナニ目を輝かせてるんだよ。

「ねぇどんな話ふたりでしてるの?ひょっとして一緒に寝てるの?もう一緒におフロ入った?ねぇプロポーズの予定は?」

って、やっぱりからかって来たよコイツは。

「なんにもないよ」

軽く受け流そう。

「ねぇねぇ、先生ってば~。ホントのトコどうなのどうなの~、ねぇセンセ~ってば~」

こりゃあ彼女の口撃はしばらく止みそうにないな。

マイッタなもう。