一年後…。



「あっという間ね、一年って」

研究所の研究室で一年点検を受けるロイを見つめながら、呟く広海君。

「ねぇ、これからまた一緒にいられるね」

そう言うなり寄り添って、僕の手を握ってくる。

「そうだね」

この一年、どれだけこの時が来るのを待ち望んだ事か。

「ねぇミライ、」

広海君が僕越しに、並んで立つミライに声を掛ける。

「ありがとう。しっかり先生のコト掴まえててくれて」

ウインクする広海君。

「フフッ。どういたしまして」

微笑んで返すミライ。

と、広海君が僕の手を握ったまま向き直って、僕の正面に立った。

「ねぇ先生、これから私も先生んちで一緒に暮らしたいんだけど、イイ?」

首を傾げる広海君。

もちろんイイに決まってるよ。

「あっ、でもミライがいるんだよな」

どうしよう。

と、広海君がミライを引っ張り寄せて、僕の正面に二人で並んだ。

「ねぇ、ミライも一緒に三人で暮らさない?」

って、ええっ?

「三人で一緒に?」

相変わらず驚く事言い出すなぁ。

「いいじゃない、きっと楽しいわよ♪」

「うん、楽しそう。ね♪」

手を取り合って目の前に並ぶ二人。

「う、うん、広海君がいいなら」

僕は構わないけど。

「よかった。ミライが一緒なら、美味しい料理も作ってくれるしキチンと掃除もしてくれるし、毎日素敵に暮らしていけるもんね♪」

ってそれ、ただ自分がラクしたいだけじゃないのか?

「それに、…」

と、広海君がちょっと目線を逸らした。