「もう言わないで!」

僕の口に手を当てて塞いでくる!

(えっ…)

ど、どうしたんだい一体?!

固まっていると、ミライがゆっくりと口に当てた手を離した。

「私、嬉しかった。こんなに素敵なココロをもらえて、とっても嬉しかった。なのにどうしてそんなこと言うの?私のココロも、無い方が良かったっていうの?」

ああ、そうか。

感じるココロを否定する事は、今のミライも否定する事だ。

「いや、それは違うよミライ」

そこまでは思ってないよ。

「…じゃあどうして」

と、ミライがソファに身体を預けて顔を伏せると、僕のヒザに手を添えてきた。

「ちょっと前までこんな風に触れてるだけで、私とっても嬉しかった。カラダがドキドキしてた。でも今は違う。あなたに触れても、ちっとも嬉しくない。ちっともドキドキしない…。ねぇわかる?どうしてだかわかる?」

「…」

黙り込む僕。

と、パッと顔を上げたミライが、じっと見つめてきた。