「ちょっと待ってよ!仮眠室って、私も泊まるのよっ」

目尻を吊り上げてる。

「大丈夫、布団は四人分あるから」

って、あの所長、そういうこと言ってるんじゃないと思いますけど。

案の定、広海君がバッと仁王立ちに立ち上がった。

「先生と同じ部屋で寝ろって言うのっ?」

眉間に皺を寄せて言い返してる。

(…あのさ)

何もそんなにイヤそうにしなくても。

「ウンそうだよ。ミライも一緒に三人で寝れば、な~んにも問題ないよ。ほら、今は非常事態なんだし、ねっ」

所長がニッと微笑み返してる。

輝く目が何か企んでるみたいですけど?

「…んもう、仕方ないわね」

渋々席に着く広海君。

ん?

って事は、広海君と同じ部屋で寝る事になるのか?!

(…チャンスかもしれないぞ)

上手くいけばヨリを戻せるかも。

ここは勝負どころだ!

「ウン、決まりだね」

所長がじっと僕を見てる。

「ええ。そうしますよ」

頷き返して、振り返る。

ニッコリと微笑んで立つミライと、表情もなくモニターを見つめる広海君。

失敗は許されないゾ。

はてさてどうなる…。