「…ハァ、どうしてなんだ?」

息を整えながら、頭に浮かぶのは疑問ばかり。

(どうしてミライの事がバレたんだ?)

それも大学中に知れ渡るほど。

(う~ん…)

一瞬広海君の顔が浮かんだけど、

(問い詰めるワケにもいかないしなぁ~)

言ったところで関係が悪くなるだけだし。

とりあえず、机から椅子を引っ張り出して腰掛ける。

「…」

ミライがじーっと入口の扉を見つめてる。

「?」

と、扉をコンコンッとノックする音が。

(ムム…)

イヤな予感。

ゆっくり扉に近寄ってそ~っと開けてみた。

(ゲッ)

居るわ居るわ、廊下にいかにも理系オタクな学生たちの姿が。

「あの、こちらにロボットがいますか?」

みんな興味津々に目を輝かせて、盛んに首を振って覗き込もうとしてる。

「い、いえ、ここには…」

「この実験室にいるって学内サイトで見たんですけど」

ナニッ、そこまで知れ渡ってるのか…。

とその時、内線電話が鳴った。

「あっ、電話なんで」

強引に扉を閉めてフ~ッと一息つく。

助かった。

電話に寄って受話器を取る。

と、聞こえてきたのはルミちゃんの声。