「ウソ?」

何が?

「使用許可はちゃんと取ってありますよ、ミライの分も」

ええっ?!

「いやだって、所長が取ってないって」

確かにそう言ったんだよ?

と、本田君が笑って返してきた。

「ハハッ、担がれたんですよ」

担がれた?

「そうです。所長に担がれたんですよ。そう言っておけば『死ぬ気で』ミライの正体を守ってくれるだろうって」

ハイ?

「そうなのかい?」

「ええそうですよ。まさかそんな、ミライの経歴に傷が付くような事を、あの所長がするワケ無いじゃないですか」

本田君が笑ってる。

「そうだったのか…」

まんまと騙されたゾ。

一人でドキドキしてたって事じゃないか!

(マッタクやってくれるよ、所長…)

まあ、これで一つ肩の荷が楽になったから良かったんだけど。

「そんな訳ですから、安心してこっちに来てくれませんか」

うん、そうとわかれば。

「もちろん行くよ!」

電話を切って、ミライと一緒に研究所へと向かった。