「ん、こんな時間に?」

ディスプレイを見ると、見た事も無い携帯電話の番号。

(外線から?)

誰からだろう。

恐る恐る受話器を取って、そっと耳に当ててみる。

「もしもし?」

「あ、本田ですけど。近未来研究所の」

ああっ、研究所の!

「本田君かぁ。ビックリしたよ。どうしたんだい?」

こんな時間にここへ掛けてくるなんて。

「ええ、ちょっと、ミライを連れてこちらへ来てもらいたいんですよ」

えっ、ミライを連れて?

「どうして?」

所長じゃなくて、本田君からのお願いなんて珍しい。

と、本田君が一呼吸置いて答えてきた。

「…実は、警察の人がミライを見せて欲しいと」

ええっ!?

「警察がっ?」

マズイマズイ、それはマズイよ!

「ダメだって、そんな事っ!」

「え、どうしてですか?」

聞き返されてビックリ。

「どうしてって、そんな事したら僕まで捕まるじゃないか!」

そうだろ本田君。

「それはどうして?」

また聞き返してくる。

オイオイ本田君。

「だってミライは道路使用許可を取らずに動かしてたんだろ、僕も同罪じゃないか」

知らなかったのかい?

「…ああ、それはウソですよ」

え?