昼休みを告げるチャイムが鳴る。

こんなにチャイムが耳に虚しく響いてくるなんて初めてだ。

(…早く打ち明けとけばよかったんだよ)

せめて試験の採点の時に話しておけば。

実験室でぼ~っと後悔。

と、不意に内線電話がプルルーッと鳴った。

(ん、教授室?)

受話器を取ると、教授が出た。

「あー、私だ。今こっちに広海君が戻って来ているがー」

えっ!?

「ホントですか?!」

「今、控え室でみんなと話している。君もこっちに、」

「すぐ行きますっ」

教授の話の途中で受話器を置いた時には、もう僕は控え室に向かって走り出していた。