翌土曜日の午後。

駅前のファッションビルの3階フロアー。

例にもれず、僕は広海君に買い物に付き合わされてる。

前を行く広海君とミライの後からエスカレーターに乗る。

ミライはエスカレーターに乗るのにもすっかり慣れていて、広海君と二人で楽しそうに微笑み合ってる。

「どこに行くんだ?」

もう紙袋を四つも持ってるんだけど。

「ついて来ればわかるわよ」

エスカレーターを降りて、はしゃぐようにフロアーを歩いていく二人。

世の中の旦那さん方の苦労がわかるよ。

仕方なく黙ってついて行く。

と、やって来たのは色鮮やかなブラが並んだコーナー。

「まさか、ここかっ?」

ちょっとちょっと待てよ。

「そう。一人じゃ来れないでしょ♪」

ニッと笑みをこぼしてるし。

「そりゃそうだけど、」

彼女と来るならともかく、女性二人を連れて来る男ってちょっと怪しいだろっ!

「いいじゃない。興味あるでしょ」

ん、そりゃまあ…。

って、こっちは教官の身なんだよ、こんなトコロを誰かに見られたら、

「ねぇ、どんなのが好み?」

って、勝手に選び始めるなーっ。