傘があるから雨が降る。

「……?」


「声だよ。無理に出させちゃったんじゃないかと思って」


頭を掻きながらそう言った。


「あ、わ……!!私、長谷先生とは……声なんだか出したいと思ったらなんとなくですけど出せたので!!」


「そっか。ありがとな。でも、無理すんなよ?」


「だっ……!!大丈夫です!!
長谷先生にしか……声出さないので……!!」


「うん、分かったよ。
それじゃ、気をつけて帰りなよ。
さよなら」


「さよならっ……!!」


どうしても私の声を届けたかった。