5月も終わりに差し掛かろうとしている、
ある夕方のこと。


私、佐藤夏樹は、部屋で学校帰りに買ってきた漫画を読みながらゴロゴロしていた。


「アイドルとリア恋の最新刊最高すぎでしょ…こんなことあるわけないけど、廉くんみたいな人と恋したいな〜」


そんなことを言いながら、ニヤニヤしていたら


ザーーーーーーーーッ



凄い雨の音が聞こえた。



「雨降ってきたのか…そろそろ梅雨だしな…」


そう言いつつ、漫画の続きを読もうとしたその時



ゴロゴロゴロゴロ…ドーーーン!!!


「雷も!?人がせっかく漫画読んでるのに!邪魔しないでほしい!」


そうやって怒っていると


ガタガタガタガタ


「も〜!こんな日に限って雨に雷に風って何?そんなに外ひどいのか!?」



外を確認しようと、窓を開けた。





私は、固まるしかなかった。





「おい、中に入れろ」



「もう、ずぶ濡れだよ〜」



「こんなにひどい雨は、久々ですね」



黒い羽が生えた、3人の見知らぬ男が



そこにいたからだ。