暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】




「いいな?」


しかし陛下のそんな言葉に私は


「…………………かしこまりました」


返事するしかなかった。








「アニ様!!凄いです!!!」


「ほんとですよ!!陛下から直々にパーティーのお誘いに来られるなんて滅多にない事ですよ!!」


「羨ましい限りです!!」


陛下が去り、そして私達もお部屋に戻ったところで興奮の冷めない使用人達が私に攻め寄ってきた。


「………私もいつか陛下に誘ってもらえるような大人な女性になるんですから!!」


リリアンは頬をプクーと膨らませて、羨ましがっている。


正直替われるものなら替わってもらいたいのだけど…………………。



メイドとしては陛下のお役に立てるよう頑張れるが、普通の女として陛下の横に立つと思うと


自信が無さすぎて気が沈む。


他に綺麗な令嬢とかお姫様とか、たくさん繋がりあると思うのに『他の奴は色々と面倒』とか……。


面倒でも常識あり綺麗な人の方が陛下の格を落とさなくてすむのにね。