「何故…………ここに」
「余の宮殿だ。別に可笑しいところなど、無いであろう?」
そう言ってフッ……と笑う陛下の顔は、笑顔とはかけ離れそれはそれは恐ろしい悪魔の笑みに見えた。
尋常ならぬ殺気に男の体はガタガタと震える。
この隙に逃げれるんじゃ…?
そう思った私が男の手を振り払いその場から逃げようと試みようとしたが、
運が悪く更に掴む力が強くなった。
「……………くっ。捕まって死に値する尋問を受けるぐらいなら、客人であるこの女を殺して俺も死ぬ!」
「…………え?」
鋭い小刀が私の首へ突きつけられると同時に、スーっと血が流れ出てくるのがチクッという痛みと同時に分かった。
この人本気だ………………。
「後で悲しみに打ちひしがれると良い!!(笑)」
『アッハッハ!』と高く笑いあげる男は『どうだ?』とでもいうような顔で、
更に刃が私の首にくい込んでくる。
これ本当にヤバいやつかも。
そう思ったとき、
陛下は周りの敵兵士達を尽く切り倒し、
あっという間に男の手を抑えていた。
一瞬の素早い動きに私はただ放心状態………………。



