暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】



弱い私が心の中で最後に助けを呼んだのは、不思議にも嫌だと思っていた陛下の事で、


あの時のように来てくれるんじゃないかって、思ってしまう私がいた。



男の手に渡った時、何故か凄く驚いた顔をしていて


「………嘘だろう」


ガタガタと体を震わしてた。


その様子に私もその方向に視線を向けると、そこには陛下を中心に後ろに並ぶ兵士の姿と、




どす黒い殺気らしきものを漂わせた陛下が先程私が向かおうとしていた階段のところに立っていた。


「これはどうゆう事だ」


私に言われてるわけじゃないのに、ズン……と体が思い。


対する商人の男は震えながらも未だ私を掴んだ状態。