(…………………それにしても、私は何でいつもこんな目にあうのだろう)
本当は普通に生きたかった。学校に行って親友と呼べるような友達をつくって、一緒に遊ぶ。
家族ともずっと一緒にいたい。
私の髪が黒色じゃなかったら。こんな容姿じゃなかったら。
私は………………………………………。
今まで押し殺していた気持ちが一気にこみ上げた。
だけど、それは再び心の奥底に押し殺された。
(弱気になってはダメだ)
______ドンッ!!
油断したうちに掴まれた手首を振りほどくと、思いっきり商人を突き飛ばしてみせた。
「………この女が………っ!!!」
男はその衝撃で地面にしりもちを着いた。声には怒りが含まれているのが聞いてわかった。



