暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】



それに続きリリアンも


「アニ様…………っ!私は何があろうとアニ様の使用人ですから!」

なんて言ってきた。


ちょっと誤解されたような感じするけど、そう思ってくれてるのなら、それでいいか。


説明する手間もはぶけたし。



それにしても、『何があろうと』っていう言葉は正直嬉しかったが、仮に使用人の姿の私でも同じことを言ってくれるのだろうか。


「何か気をつかわせてしまって申し訳ないわ………」


そう言った後、私はカップの縁に唇をつけた。



匂いの通りこの紅茶はとても甘くて美味しく、一緒に出された苦目なチョコ菓子と相性が抜群。


私だけこんな良いものを頂いているという罪悪感を必死にかき消しながら、私はお茶を楽しんだ_____。