暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】




恐らくこのチョコ菓子6つで1000円は越すのではないか?

考えるだけで少し恐ろしい………。



「そう言えば気になったのですが、アニ様はどこのお方なのですか?この国じゃ黒い髪など見かけませんが」


「え?」



「それ、私も気になりました~!知りたいです!!」

急にサニーさんが発した思いがけない質問に、近くで待機していたリリアンも興味津々だ。


正直、いつか素性を聞かれる日が来るんだろうなとは思っていた。




いつもお世話をしてくれている人達だから、本当のことを話したいけど、


その噂が宮殿内に広まっても困る。

(まぁ、噂が広まって私を追い出せってなった方が都合が良いんだけど…………………陛下なら『だからなんだ?』で終わりそうだし。そもそも、陛下にそのように口を挟む人もいないだろうけど)


なんて返事を返そうか悩んでいると、


何かを察したのかサニーさんは、

「お気を使えなくて、申し訳ございませんでした………」


と困った様子で言ってきた。