「敷き殺せ」
「………………っ!!?いや、でも……………」
「俺の道に出たのが悪い。ただの平民なら問題ないだろ?しかもガキと来た…………………直ちに殺せ!!!」
男は声を大きな声で、馬車の周りを警護する兵士に声をかけた。
「「「「「は!!!」」」」」
一斉に兵士が女の子に向って動き出す。
対する本人の女の子は訳のわからないと言った顔で、怯えその場に座りこんでいる。
その場にいた全員が恐怖に顔を引きつらせた。
思わず目を瞑る者もいれば、悲鳴をあげる者もいた。
しかし、思うのは誰もこの女の子を助けないということ。
近くこの光景を見ているであろうこの子の母親さえも。



