暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】




「敷き殺せ」


「………………っ!!?いや、でも……………」


「俺の道に出たのが悪い。ただの平民なら問題ないだろ?しかもガキと来た…………………直ちに殺せ!!!」


男は声を大きな声で、馬車の周りを警護する兵士に声をかけた。


「「「「「は!!!」」」」」


一斉に兵士が女の子に向って動き出す。

対する本人の女の子は訳のわからないと言った顔で、怯えその場に座りこんでいる。


その場にいた全員が恐怖に顔を引きつらせた。


思わず目を瞑る者もいれば、悲鳴をあげる者もいた。


しかし、思うのは誰もこの女の子を助けないということ。

近くこの光景を見ているであろうこの子の母親さえも。