目覚めるまで私の手を握ってくれてた陛下。暗闇に届く暖かい声。 不器用ながらに優しい一面。 こんな感情を抱く前に離れたつもりだったけど、少し遅すぎたみたいで、会うだけでこんなにも心をかき乱される。 私は、陛下の事がやはり好きだ………。 何もかも隠さずに陛下と向き合いたかったけれど、私はそこに居てはいけない………………………。 「失礼致しました…」 そんな感情を必死に隠し、あえて平常心を装う。