何か……この人は危ない。
そう思い後ろへ後ずさりするより早く、鋭い剣が私の前に晒される。
「な………何をする気ですか?」
「これ見てまだ分からないというのですか?」
………………………先がキラリと光り、その光景についあの日の事を思い出す。
男たちに拉致され、このまま連れ去られるかもしれないと絶望したあの日。
そして、剣を向けられるあの恐怖。
「貴方、何をしているのですか………!!!」
「誰か、兵士を!!!」
周りも流石にこの状況に気づき、焦りの声を上げる。
「花はいずれ枯れ散る。これでお終いだ」
上に引き上げられた剣が勢いを増して私に迫る。
逃げることも叫ぶことも出来ず、
ただ体だけが固まって動かない。
_____ザクッ…。
鈍い音が部屋に響いた。
真っ赤な血が池のように流れ出す。
周りの悲鳴で部屋の中は埋め尽くされた。



